ディーラーや部品メーカー、物流会社にスケールメリットをいかした安価な電力を供給

グローバルマテリアル事業本部 化学品・エネルギーグループ燃料チームでは、日産自動車関連企業を中心に、事業者向け電力の小売販売事業に取り組んでいます。電力調達から電力プランの企画、見積もり内容の折衝、契約書締結、料金請求や代金回収まで、一貫して行っています。

この事業は2010年、日産自動車が各事業所や工場、寮などに電力を小売り販売するようになったのが始まりです。その後、2015年に日産トレーデイング(NITCO)が事業継承し、各地域のディーラーや自動車関連の部品工場などへと販売先を広げていきました。現在、お客様は8割が日産自動車関連企業、具体的には約1000店舗のディーラーです。残りの2割が、日産関連以外の企業で、部品のサプライヤーや部品を運ぶ物流会社です。(森)

NITCOの電力事業には2つのスキームがあります。ひとつは私ども自身が電力市場や電力会社から電力を調達して供給させていただくもの。そして全国約700社の小売電気事業者が展開している電力サービスを紹介させていただく活動も行なっています。

いずれにしろNITCOを通していただく最大のメリットは、関連企業の多い日産経済圏のスケールメリットをいかし、ユーザーを集約してサプライヤーと交渉させていただくことで、安価な電力を提供できることです。我が社の紹介により、サプライヤーは営業活動の負担やコストなしに、多くのお客様を獲得できます。電力ユーザーとなるお客様は、たくさんのサプライヤーから見積もりをとり、交渉をする手間なく、安くて安心安全、また環境価値の高い電気を導入することができるのです。(中里)

商社の情報力とネットワークでお客様のニーズに合わせた最適なサービスを提供

NITCOの強みは、商社としてのネットワークの幅広さです。そのため、お客様と日頃から密に連携をとり、早い段階から需要をキャッチアップすることができます。また商社として日頃から様々なサプライヤーと定期的に定例会を開き、情報共有をしています。それら最新の情報をもとに、サプライヤーと交渉し、お客様により適した電力サービスをお届けしています。メーカーではないので、複数のサプライヤーの商品のなかからお客様のニーズにあったものを取捨選択し、お届けすることができることもNITCOの特徴と言えます。(森)

営業をしていると、お客様から「この電力会社はどうなの?」とよく聞かれます。電力商品は仕組みが複雑で、プランも多岐にわたります。そこでみなさん、どこにすべきか非常に悩まれているんですね。最終的には価格で決めてしまいがちですが、事業用の場合は停電などトラブル時の対応も重要です。燃料チームではそのようなお客様の疑問にもひとつひとつ丁寧にお答えし、不安材料をとりのぞくことを常に意識しています。その結果、「電気のことはNITCOにまかせておけば安心ですね」とお客様から言っていただけたときは本当にうれしいですね。(中里)

電気は目に見えない商品だけに、契約をいただいたときこそ、NITCOへの高い信頼を実感します。安全面への追求やアフターフォローなどを充実させ、いかに付加価値を感じていただけるか。信頼関係やソフト面での価値が重要だと感じています。(福地)

次世代のための環境配慮型電力供給プロジェクトを推進

今、電力業界の大きなトレンドとして、カーボンニュートラルがあります。日本社会全体がCO2削減を目指すなか、環境配慮型の電力商品に注目が集まっています。今や、事業活動においてCO2を削減することは、企業にとって欠かせない社会的責任です。電力は、サービスや供給内容をを見直すだけでCO2削減への貢献活動に取り組みやすい分野です。NITCOも環境配慮型のメニューを増やし、お客様に電力利用の面からCO2削減に貢献することを提案させていただいています。(森)

現在、日産自動車との協業で、従業員の方向けに環境配慮型の電力商品を販売する新規事業のプロジェクトにも取り組んでいます。商流やスキーム作り、商品作成、ステークホルダーとの調整や販促、法務関連の確認など、ゼロからの事業作りとなります。スキームの立案や実現のためのプロモートでは、幅広い関係会社を巻き込む必要があり、全体のハンドリングは複雑です。ただ、次世代を見据えた電力事業は一人の担当者が携われる範囲が広いため、責任が重い一方、やりがいも大きいと感じています。(福地)

一般向けの環境配慮型商品で、社会全体のカーボンニュートラルに貢献する

電力事業を通じてカーボンニュートラルにも貢献しています。電力はあらゆる商品やサービス、個人や企業が関係しており、その取り組みは社会全体に大きな影響を与えます。同時に今、法令関係や電気の市場価格、サービス内容などはものすごいスピードで変化しています。そのような知識を常にアップデートし、スピード感をもって仕事に取り組むことで、今後もいち早く付加価値の高い電力関連サービスを展開していきたいと考えています。(中里)

現在、車の生産から廃車にいたるあらゆる活動のなかで、大量の電気が使われています。日産グループの商社として部品や燃料の供給にたずさわっているNITCOには、日産自動車の部品部門や工場と密接な関係をもちながら仕事をしている部署もあります。そういった多様な物流企業とのネットワークをさらに活かし、幅広い企業や人々に環境値の高い電気を供給することで、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。(森)

関連する事業

マテリアル事業

日産自動車及びアライアンスグループである三菱自動車、ルノーの国内・海外工場及び部品メーカー向け鉄鋼製品、原料・非鉄金属、化学品等 の自動車用材料供給、情報管理及び材料のリサイクルや電力販売などの環境関連事業を通じてアライアンスグループの競争力向上及びカーボンニュートラルの実現に向けて貢献しています。